「事業承継を検討しているが、税務面で検討しなければいけない論点があるのだろうか」「事業承継税制について相談できる機関はないのだろうか」。事業承継税制に関するお問い合わせは多岐にわたります。中でも多く頂戴するご相談は、「事業承継税制のメリット・デメリットについて知りたい」というものです。
ここでは、事業承継税制にどのようなメリット・デメリットがあるかみていきましょう。
事業承継税制とは、経営者から自社株式を承継した時に発生する納税義務が、一定の条件をクリアすれば猶予される制度のことです。
自社株式を承継した場合、金額に対応した相続税や贈与税を支払う必要があります。
しかし制度を利用すれば、税金の猶予を受けられます。
この制度は、後継者問題に悩む中小企業の事業承継を促進する目的で2008年に創設されました。
では一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
■事業承継税制のメリット
まず検討するメリットをみていきましょう。
〇会社の業績が好調な場合
納税猶予開始から5年間は要件をクリアし続ける必要があります。
この間に倒産や収益が0になった場合、猶予額全額と利子税を支払い義務が発生します。
逆に、5年間事業を継続できれば、以降は条件が緩和され納税猶予も得られます。
したがって、事業承継から5年以上は業績が維持できると判断した場合は、利用する価値は大きいといえます。
最終的に後継者の相続発生など、一定の事由が発生することで免除されます。
対象株式の贈与税・相続税の負担がゼロになる可能性もあります。
■事業承継税制のデメリット
一方、デメリットとしては以下のような事が挙げられます。
〇制度の適用要件が分かりづらい
後継者は相続開始時に50%を超える議決権を保有しているか、非上場の中小企業かなど様々な要件が存在します。
〇手続きが煩雑である
自治体によって必要な書類の量や種類に大きなばらつきがあります。
場所によっては多くの添付書類の準備や提出が義務付けられています。
〇要件を満たし続けなければ課税される
一度要件を満たせば終わりではなく、最初の5年間は毎年、その後は3年おきに継続届出書の提出が必要です。
このように、事業承継税制の利用を検討することは多くの論点を考慮する必要があります。日頃のオペレーション業務と両立する事が難しい場合、会計税務の専門家である税理士に業務を相談するという選択肢を検討されてみてはいかがでしょうか。
山名誠税理士事務所では大阪府大阪市を中心に、税務、会計を通じて法人・個人を問わず支援させていただいております。「事業承継」「M&A」「相続税」の業務に強みがございます。皆様一人一人と誠実に向き合い支援をさせていただきますので、事業承継税制の利用をご検討の皆様はお気軽にご相談ください。
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